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まつ毛のケアをする化粧品のひとつに、まつ毛コーティング剤があります。これは何のために、どうやって使うものなのでしょうか。ここでは、まつ毛コーティング剤とは何なのか、そして、どのように使いどのような効果が得られるのか、といった点について詳しくご紹介します。

【1】まつ毛コーティング剤とは?

まつエクサロンですすめられることの多い、まつ毛コーティング剤。最近はドラッグストアでも販売されているため、見かけたことくらいはある、という方もいらっしゃるかもしれません。
では、まつ毛コーティング剤はどういうものなのでしょうか。他のまつ毛ケア用品と、なにが異なるのでしょうか。

(1)まつ毛コーティング剤は何に使うもの?

まつ毛コーティング剤は、まつ毛に塗って、これを1本1本コーティングするためのものです。マスカラ下地やマスカラ、まつ毛美容液などまつ毛に塗る化粧品には様々な種類がありますが、まつ毛コーティング剤はこれらの中で、「まつ毛をコーティングすること」に特化したアイテムといえます。

まつ毛コーティング剤はまつエクをしている人にピッタリのアイテムで、これを使うことによって様々な効果が得られます。

(2)まつ毛美容液との違いとは?

まつ毛コーティング剤と混同されやすいものに、まつ毛美容液があります。では、まつ毛コーティング剤とまつ毛美容液とでは、なにが違うのでしょうか。

まつ毛美容液ってどういうもの?

まつ毛美容液は、水分を補給してまつ毛の保湿をしたり、まつ毛にハリとコシを与えたり、栄養分を補給してまつ毛の育成を促進したりするためのものです。天然由来成分が配合されたものや保湿に特化したもの、まつ育効果にこだわったもの…というようにまつ毛美容液には様々な種類があります。

美容液はトリートメント、コーティング剤はトップコート

これに対してまつ毛コーティング剤は、まつ毛を「コーティング」するためのものです。まつ毛コーティング剤の中には美容成分が配合されているものもありますが、主たる目的はあくまでも、まつ毛をコーティングすることにあります。

例えるならば、まつ毛美容液はヘアケアに使用するトリートメント、まつ毛コーティング剤はネイルアートの仕上げに使用するトップコート、といったところでしょうか。

 

【2】まつ毛コーティング剤によって得られる効果

まつ毛1本1本を包み込む、まつ毛コーティング剤。では、このアイテムを使うと、どのような効果が得られるのでしょうか。ここからは、まつ毛コーティング剤を使うことで得られる効果についてみていきましょう。

(1)まつエクの持続力が高くなる

まつ毛コーティング剤には様々な効果が期待できますが、中でも特筆すべきなのが、まつエクの持続力が高くなる、という点です。

まつエクがきれいな状態を保てる期間は短い

一般にまつエクの寿命は、3週間~1か月程度といわれています。
しかし施術直後のきれいな状態を保てるのは1~2週間くらいまでで、3週間目に入ってくると、エクステが少しずつ剥がれてきてボリューム感がなくなってきます。また自まつ毛とエクステの接着部分が汚く見えてきたり、エクステが曲がったりヨレたりすることもあります。

様々な刺激にさらされているまつエク

まつエクの施術では、自まつ毛の根元部分にエクステを1本ずつくっつけていきます。そのため自まつ毛が伸びるとエクステと自まつ毛のバランスが悪くなりますし、洗顔や就寝時の摩擦、汗や皮脂、埃などによる負担が重なると、まつエクの強度が低下してきます。
するとその影響によって、まつエクが少しずつ劣化してしまうのです。

お気に入りのまつエクは、少しでも長持ちさせたいですよね。また、まつエクを長持ちさせられれば、施術にかかる費用を節約することもできます。

まつ毛コーティング剤でまつエクを守る

そこでおすすめしたいのが、まつ毛コーティング剤です。
まつ毛全体をしっかりコーティングすれば、摩擦や汗、皮脂、埃などによる負担からこれを守ることができます。またまつ毛の根元部分にコーティング剤を塗ることで、接着部分を保護することもできます。

するとその結果、まつエクの持続力が高まるのです。
まつ毛コーティング剤を使用している方の中には、従来よりもまつエクのもちが1~2週間良くなった、と実感できている人もいるようです。

(2)まつ毛の乾燥を予防する

まつ毛コーティング剤には、自まつ毛の乾燥を予防する効果もあります。

まつ毛は髪の毛と同じ体毛の一種ですので、その中には水分が含まれています。十分な数位分量のあるまつ毛にはハリとコシがありとても美しいのですが、水分が失われ乾燥したまつ毛は、枝毛になったり切れたりしやすくなります。
そして、まつ毛が切れると全体のボリューム感が少なくなってしまいますし、まつエクをつけている場合、エクステごと落ちてしまうこともあるようです。

この点、まつ毛コーティング剤でまつ毛1本1本を包んでおけば、水分の蒸散による乾燥を防ぐことができます。
自まつ毛の乾燥を予防することには、まつ毛を育てたり、まつエクの持続力を高めたりする効果も期待できますので、まつ毛の乾燥が気になる方、まつ育に力を入れたいという方は、まつ毛コーティング剤を使ってみてはいかがでしょうか。

(3)自まつ毛を守る

まつ毛コーティング剤は、自まつ毛を守るうえでも大変効果的です。
たとえまつエクをしていなくても、まつ毛にはクレンジングによる摩擦、枕との摩擦、皮脂や汗、埃…というように、日々様々な負担がかかっています。そしてこれらの負担は、切れまつ毛や抜けまつ毛の原因になることがあります。

この点、まつ毛コーティング剤にはまつ毛を包んで保護する効果があるため、様々な負担からまつ毛を守ることができるのです。

 

【3】まつ毛コーティング剤にはどんな種類がある?

まつ毛コーティング剤をはじめとする化粧品は、自分に合ったもの、自分が気に入ったものを選ぶことが大切です。そこでここからは、まつ毛コーティング剤にはどのようなものがあるのか、その種類について詳しくみていきましょう。

(1)まつ毛コーティング剤の色

まつ毛コーティング剤は、色がついていない透明のものと、マスカラのようにブラックやダークブラウンといった色がついているものとに分けられます。

透明のまつ毛コーティング剤は自然な仕上がりになるため、たくさんの本数のエクステをつけている方や、太いエクステをつけている方におすすめです。また、ナチュラルメイクをお好みでマスカラを使わないという方が、自まつ毛の保護のためにこのタイプのまつ毛コーティング剤を使うのもいいでしょう。

これに対して色のついたまつ毛コーティング剤には、まつ毛を長くみせたり、ボリューミーにみせたりする効果があります。ナチュラルな質感のまつエクをしている方や、もう少しまつ毛にボリュームが欲しいという方には、マスカラと同じ感覚で使える色のついたまつ毛コーティング剤がおすすめです。

(2)まつ毛コーティング剤の粘度

同じ色味のまつ毛コーティング剤でも、その粘度が変わると全く違った仕上がりになります。

マスカラにおきかえて考えるとわかりやすいのですが、粘度が高いまつ毛コーティング剤を塗ると、ボリューム感を出しやすくなります。しかしまつ毛同士がくっつきやすいというデメリットもあるため、丁寧に塗ったりコームを使ったり、といった対策が必要です。

これに対して粘度の低いまつ毛コーティング剤は、さらりとしたテクスチャーで自然な仕上がりを楽しめます。また乾燥スピードが速く、まつ毛同士がくっつきやすいということもありません。

初めてまつ毛コーティング剤を使用される場合は、粘度の低いタイプのものを選ぶといいかもしれませんね。

(3)まつ毛コーティング剤のブラシ

まつ毛コーティング剤は、基本的に毎日使用するものです。そのためまつ毛コーティング剤を選ぶときは、色や粘度だけでなく、使いやすさについても考えてみる必要があります。

そこで注目していただきたいのが、「ブラシの形」です。
まつ毛コーティング剤のブラシは、マスカラのような形をしているものと筆の形をしているものの2種類に分けられます。

マスカラタイプのものは、普段のメイクで使うマスカラと同じやり方でコーティング剤を塗ることができるため、初心者の方でも扱いやすいでしょう。またブラシを小刻みに動かしながら毛先へと動かしていくことで、まつ毛1本1本をムラなくコーティングすることもできます。

これに対して筆タイプのものは、まつ毛の生え際など細かい部分までしっかりコーティング剤を塗ることができます。まつエクの接着面をしっかり保護したいという方は、このタイプのまつ毛コーティング剤を使うといいでしょう。

 

【4】まつ毛コーティング剤の使い方

まつ毛コーティング剤は、正しく使うことが大切です。これは本来、まつ毛やまつエクを保護するために使うものなのですが、間違った使い方をしていると、まつ毛を傷つけてしまう可能性があるのです。
そこで最後は、まつ毛コーティング剤の使い方について確認しておきましょう。

(1)まつ毛コーティング剤はこう使う

まつ毛コーティング剤は、以下のように使用してください。

[1]洗顔をしたあと、コームを使ってまつ毛の形を整える。
[2]ドライヤーの冷風を当てて、まつ毛を乾かす。
[3]まつ毛の生え際に、コーティング剤を塗る。
[4]根元から毛先に向かって、ムラにならないよう丁寧にコーティング剤を塗る。
[5]ムラになったりまつ毛同士がくっついたりした場合は、コームを使ってまつ毛を整える。

(2)まつ毛コーティング剤はいつ使う?

まつ毛コーティング剤は、朝と夜に使用するのが一般的です。
しかし上述のようにまつ毛コーティング剤は、様々な刺激や負担から自まつ毛やエクステを保護するために使用するものでもあります。そのため朝晩のケアやメイク前にはもちろん、以下のような場面で使用するのもおすすめです。

・プールに入るとき
・温泉やサウナに行くとき
・就寝前(枕との摩擦を予防)

また、まつ毛コーティング剤には、色付きのものと透明のものとがあります。家やオフィスでは透明のコーティング剤を使用し、特別な場面では色のついたコーティング剤でボリューム感を出す…というように、2種類のまつ毛コーティング剤を使い分けてみるのもおすすめです。

(3)まつ毛コーティング剤の使用頻度は?

まつ毛コーティング剤の使用頻度は、その商品によって異なります。朝晩の1日2回使用するタイプのものもあれば、3日に1回の使用で十分なコーティング効果を発揮するものもあるのです。

具体的な使用頻度については商品パッケージなどに記載されていますので、しっかり確認してから購入するようにしましょう。コーティング剤をこまめに塗るのが面倒だという方は、少ない頻度でしっかりコーティングしてくれるタイプのものを選ぶことをおすすめします。

(4)まつ毛コーティング剤を使用するときの注意点

まつ毛コーティング剤を使用するときは、以下のような点に注意してください。

まつ毛をしっかり乾かしておく

まつ毛コーティング剤を使用する前には、まつ毛をしっかり乾燥させておくようにしましょう。まつ毛が濡れた状態では、コーティング剤がたれたり薄まったりして、本来の効果を発揮できない可能性があるのです。

まつ毛はドライヤーを使うことですぐに乾燥させられますので、試してみてください。ただしドライヤーの温風はまつ毛の乾燥の原因になりますので、冷風を当てるようにしましょう。

まつ毛美容液を先に使う

毎日のまつ毛ケアでまつ毛美容液を使っている方は、まつ毛コーティング剤を使う前にこれを塗るようにしましょう。朝の洗顔をしてからメイクをするという場合、順序としては【洗顔→乾燥→まつ毛美容液→乾燥→まつ毛コーティング剤→メイク】となります。

まつ毛美容液はその有効成分をまつ毛やまつ毛の生え際に浸透させることで効果を発揮するものであるため、コーティングをした上から塗ったのでは本来の効果が得られないのです。

 

さいごに

アイリスト
まつ毛コーティング剤を塗ると、まつエクの持続性を高めたり、自まつ毛を保護したりすることができます。色付きのものや透明のもの、粘度の高いものや低いもの…というように、まつ毛コーティング剤には様々な種類がありますので、まずは自分に合ったものを探し、試しに使ってみてはいかがでしょうか。これまでまつエクが長持ちしないことに悩まされていた方は、その悩みから解放されるかもしれませんよ?