インターネットが普及した現代もなお、集客をするうえで大いに活躍してくれるチラシ。ただし、チラシによって得られる集客効果は、そのデザインや内容に大きく左右されます。では、集客できるチラシにはどのような特徴があるのでしょうか。また、集客できるチラシはどのように作ればいいのでしょうか。ここでは、集客できるチラシの作り方について詳しくご紹介します。
【1】なぜチラシが集客に効果的なのか
ホームページやブログ、SNSなど、最近はインターネットを利用した集客方法が主流になりつつあります。そのためチラシに対しては、「もはや時代遅れ」といったイメージを抱いている方が多いのではないでしょうか。
しかし、インターネットが普及した現代においても、チラシには一定の集客効果が期待できます。ここではまず、なぜチラシが集客に効果的なのか、その理由について考えてみましょう。
(1)近隣住民にピンポイントでアピールできる
ホームページやSNS、ブログが不特定多数の人に対して情報発信するものであるのに対し、チラシはある地域に住む人やある場所を通る人など、特定の人に対して情報発信することができるツールです。
美容室やエステサロン、ネイルサロン、スーパー、保険代理店、カルチャースクール…といった地域密着型のビジネスを展開している方の場合、全国に向けて情報発信してもあまり意味はありません。自分のお店について知ってもらうべきターゲットは近隣住民であり、全国各地の人々ではないからです。
そこで役に立つのが、チラシなのです。近所の家にポスティングをしたり、街頭に立ってチラシ配りをしたりすると、見込み客に対してダイレクトに、自分のお店をアピールすることができます。
(2)インターネットを使わない人にもアピールできる
あなたの会社がターゲットとする見込み客が50代以上である場合、その人たちはインターネットに疎い可能性があります。確かにインターネットは集客をするうえで大変効果的なツールですが、ターゲットに見てもらえないのであれば、何の意味もありません。この点、チラシは紙媒体に印刷された広告であるため、インターネットに疎い人にも見てもらえる可能性が高くなります。
つまりチラシには、インターネットによる集客が難しいターゲットに対しても、一定の集客効果を発揮することが期待できるのです。
【2】見やすいチラシを作るためのポイント3つ
チラシは、人に見てもらえて初めてその効果を発揮します。そのためチラシを作るときは、「見やすいかどうか」という点を常に意識しなければなりません。では、見やすいチラシにはどのような特徴があるのでしょうか。ここではまず、見やすいチラシ作りのポイントについて考えてみましょう。
(1)意識すべきは「読みやすさ」
チラシ作りで一番大切なのは、「読みやすいものを作る」ということです。例えば、ピンク色の背景に白で文字を書くと、どんなに良いことを書いていても読みにくくなってしまいます。また見出しを設けず全て同じ大きさ・フォントの文字にしても、やはり読みにくいチラシになってしまいます。
第一印象で「見にくい」と思われたチラシが読まれることはまずありませんので、チラシを作るときは文字が読みやすいかどうか、何度も確認するようにしましょう。
(2)文字は大きくシンプルに
チラシを作るときは、文字の大きさにも気をつけましょう。できるだけ沢山の情報を盛り込みたい、という気持ちはわかりますが、小さな文字で長い文章を書き連ねては、非常に読みにくいチラシになってしまいます。チラシに掲載する文章は可能な限りシンプルにして、わかりやすく大きい文字で表記することが大切です。
(3)写真やイラストを取り入れる
チラシには、写真やイラストを取り入れることをおすすめします。文字だけをつらつらと書き連ねたチラシは、読みにくい印象を持たれてしまいがちです。この点、写真やイラストを取り入れるとチラシが読みやすくなるというのはもちろん、商品やサービス、会社の具体的なイメージを伝えることもできるようになります。
【3】チラシ作りの流れをチェック!
見やすいチラシ作りのポイントを抑えたら、いよいよ制作を始めましょう。ここではまず、チラシ作りの流れについて簡単にご紹介します。
■STEP1:ターゲットを絞り込む
チラシは、誰に配るのかによって文字の大きさやレイアウト、アピールポイントなどが変わってきます。そこでチラシ作りではまず、ターゲットの絞り込みから始めましょう。自店のお客様として呼び込みたいターゲットを、できるだけ細かく設定するのです。年代や性別についてはもちろん、家族構成やライフスタイル、職業、世帯収入、趣味、好きなファッションなど、思いつく限りのことを書き出してみることをおすすめします。
■STEP2:アピールポイントの選定
ターゲットを絞り込んだら、次はその人に対して何をアピールするのか決めていきます。
例えばあなたがイタリアンレストランを経営していて、平日昼間の客数を増やしたい、と考えているとします。
すると、アピールすべきポイントは、
・昼間から本格的なイタリアンが食べられる
・お洒落なイタリアンランチは女子会にもおすすめ
といったところでしょうか。
お店の場所や電話番号、ランチメニューや値段といった情報と併せてこれらのアピールポイントを盛り込んでいくと、チラシに書くべき内容がある程度決まってきます。
■STEP3:チラシのサイズを決める
ターゲットとアピールポイントが決まったら、いよいよチラシ作りのスタートです。チラシを作るときはまず、その「サイズ」を決めましょう。
街頭で配布したりポスティングしたりする場合は、A4サイズにするのが一般的です。A4はいろいろな書類に使われるサイズでもあり使い勝手がいいので、迷ったらこのサイズにするといいでしょう。
これに対して新聞の折り込み広告として使うチラシを作る場合は、B4サイズにすることをおすすめします。新聞への折り込み料金はA4もB4も同じであるため、大きい紙にしたほうが他の広告に埋もれにくくなるのです。
■STEP4:印刷に使う色の数を決める
チラシの大きさが決まったら、次は印刷に使う色数を決めましょう。
印刷料金は、1色・2色・カラーのどれを選択するかによって変わります。チラシに使う色の数が商品の売れ行きを左右することはほとんどありませんので、予算を考慮しつつ好きな色数を決めたので問題ありません。
■STEP5:画像・イラストの選定
チラシは、画像やイラストを取り入れることでより見やすくなります。そこでチラシの概要がある程度かたまってきたら、使用する画像やイラストの選定をしましょう。チラシ全体のレイアウトを考えながら、どんな画像やイラストを何枚くらい使うのか、選んでいくのです。
■STEP6:チラシの文章とレイアウトを考える
全ての下準備が完了したら、チラシ作りを始めます。チラシに掲載する文章を作成し、これを画像やイラストともにバランスよくレイアウトしていくのです。
【4】チラシに入れるべき情報とは?
チラシ作りをするうえで多くの人が悩むのが、「どんな情報を掲載すべきなのか」という点です。チラシに盛り込むべき情報に関して、これといった決まりはありません。そのため基本的には好きなことを書けばいいのですが、以下のような情報を掲載すると、より高い集客効果が期待できます。
(1)お店の基本情報
チラシに必ず盛り込んでいただきたいのが、お店の基本情報です。
- お店の名前
- 住所
- 電話番号
- ホームページのURL
- メールアドレス
上記のような基本事項については、必ず掲載するようにしましょう。スペースがあれば、店長やスタッフのプロフィールを盛り込んだり、会社の理念について書いたりするのもおすすめです。
(2)ベネフィット
商品やサービスの宣伝をする場合、チラシにはその商品やサービスに関する説明ばかり書いてしまいがちです。もちろんそれが間違いということではないのですが、より高い集客効果を望むのであれば、チラシには商品やサービスを購入することで得られる「ベネフィット」について書くことをおすすめします。
例えばあなたが、エステサロンを経営しているとしましょう。
お店で提供するのは「施術」というサービスですが、お客様はこの施術自体を求めているのではなく、「施術を受けることで自分に自信がつく」「綺麗になったと周りに褒められる」といったベネフィットを求めています。
チラシを作るときはただ商品・サービスについて紹介するのではなく、これによって得られるベネフィットを提示するよう心がけてみましょう。
(3)お客様の声(口コミ)
チラシにはお店が発信したい情報がたくさん掲載されていますが、これらはあくまで、「売り手」が発信しているものにすぎません。そのためチラシを見た人に、「良いことばかり書いてあるけれど本当なのだろうか」と疑われてしまう可能性があります。
この点、お客様の声は「買い手」側から発信された情報であるため信用されやすいですし、実際に商品やサービスを利用した人からの意見は、購入を検討している人にとって非常に有益な情報になります。
チラシには、店側から発信する情報だけでなく、買い手側から発信する情報である「お客様の声」も盛り込んでみてはいかがでしょうか。
【5】集客力の高いチラシ作りのポイント5つ
チラシは、ちょっとした工夫をするだけでその集客力を大幅にUPさせることができます。では、集客力の高いチラシとは、具体的にどのようなものなのでしょうか。ここからは、集客力の高いチラシ作りのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
(1)キャッチーな見出しをつける
「見出し」は、チラシを手に取った人が最初に目にする部分です。そして見出しで「読みたい」と思わせることができなければ、そのチラシはかなりの確率でゴミ箱行きになってしまいます。
チラシを読んでもらえるかどうかは、見出しにかかっているといっても過言ではありません。見出しはチラシの「顔」ですので、人の目を引くような、キャチーなものにしましょう。
(2)具体的な数字を盛り込む
チラシには、具体的な数字を盛り込んでみるのもおすすめです。
例えば学習塾のチラシを作る場合、「学力UP間違いなし!」という見出しをつけてもあまりピンときませんし、人の目を引くことができません。これに対して「9月までに偏差値10アップ!」と具体的な数字を使った見出しをつけると、「本当にそんなことができるの?」「具体的にどんなことをしてくれるの?」といった感じで、チラシを見た人の興味を惹くことができるのです。
(3)見込み客に疑問を抱かせる
チラシを見てもらうためには、見出し部分を見た人に「疑問を抱かせる」のも効果的です。
例えば、チラシの見出しに「後悔させません!」という文言を使うとしましょう。これを読んだ人は、「後悔させないってどういうことなのだろう」「一体、なにを後悔しないといっているのだろう」といった具合に、様々な疑問を抱きます。「疑問を抱く」というのは「興味を持つ」とイコールですので、チラシを読み進めてもらえる確率が高くなるのです。
(4)お得な情報を盛り込む
チラシには、お得な情報を盛り込んでみるのもおすすめです。
「平日半額」「初めての方は30%オフ」といった感じで、割引情報を掲載したり、チラシの一部分にクーポン券を印刷したりするのです。
割引情報は人の目にとまりやすいためチラシを読んでもらいやすくなるというのはもちろん、割引特典を付けることによって初回来店のきっかけを作ることもできます。
(5)お客様にとって有益な情報を提供する
お客様の家には、毎日たくさんのチラシがポスティングされています。そのため「宣伝」ばかり書かれたチラシでは、他のチラシと一緒に捨てられてしまう可能性が高くなります。
そこでチラシを作るときは、宣伝文句だけでなくお客様に有益な情報も掲載するようにしましょう。例えば美容室のチラシを作る場合、簡単にできるヘアケアのやり方や、正しいシャンプーの仕方といった美容情報を掲載してみてはいかがでしょうか。有益な情報を盛り込み「読み物」にすることで、チラシへの興味を惹くことができるかもしれません。
まとめ
チラシは、ターゲットにピンポイントで宣伝することができる効果的な集客方法です。わかりやすく読みやすいチラシは人の目を引きますので、チラシ作りをするときは「見やすさ」を常に意識しておきましょう。またより高い集客効果を狙うのであれば、見出しを工夫したり、お得感をアピールしたりするのもおすすめです。