特に原因がない場合でも、毛周期にしたがって毎月100近く抜けているまつ毛。ただ、明らかに抜けまつ毛の本数が増えたり、まつ毛の密度が変化したりすると、まつ毛がどんどん減っていってしまうのではないかと不安になってしまいますよね。まつ毛が抜ける原因は、人によって様々です。そのため抜けまつ毛を減らすには、その原因に応じた対策を行う必要があります。

アイリスト
ここでは、まつ毛が抜ける原因とおすすめの対策について詳しくご紹介します。

【1】まつ毛が抜ける原因《1》間違いだらけのお手入れ

間違いだらけ
まつ毛が抜ける原因の中でも多くの方が該当するのが、「間違ったお手入れ」です。「お手入れ」というと大袈裟に聞こえますが、毎日行っている洗顔やクレンジングも、立派なお手入れのひとつです。

(1)乱暴な洗顔が抜けまつ毛の原因に!?

ウォータープルーフタイプのマスカラや、ファイバー入りのマスカラなど、最近はいろいろな種類のまつ毛化粧品が販売されています。これらのアイテム、まつ毛を太く長くみせるには大変重宝するのですが、落とすとなると苦労しますよね。

■マスカラを落とすときにかかる負荷は想像以上!

皆様はマスカラを落とすとき、まつ毛をこすったり引っ張ったりしていないでしょうか。これらの行為は、まつ毛が抜ける原因になることがあります。

マスカラを落とすときにまつ毛を引っ張ってしまうと、まぶたにはとても大きな負担がかかります。その負担を1年トータルで考えると、約80キロの成人男性2人を1cm引っぱる力量に相当するのです。まつ毛で成人男性2人を引っ張る…。想像しただけで、ゾッとしますね。

まぶたには、まつ毛のもとになる毛母細胞があります。そのためまぶたに負担をかけるとその中にある細胞がダメージを受け、そこから育つまつ毛も脆くなってしまいます。するとその影響によって、まつ毛が育ちにくくなったり、抜けやすくなったりするのです。

(2)洗顔はとにかく優しく!水分を残さないこと!

抜けまつ毛を減らしたいなら、まずは毎日の洗顔を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。マスカラを落とすときはゴシゴシこすらず、指の腹でクルクルと小さな円を描きながら優しく洗いましょう。また専用のクレンジングオイルが必要なマスカラを使っている場合はこれを用意しておき、クレンジングをする前にマスカラだけ先に落としておくことをおすすめします。

■洗顔は泡で包み込むように

クレンジング後の洗顔でも、まつ毛に負担をかけないようにすることが大切です。洗顔料をこすりつけるようにして洗っては、摩擦によってまつ毛を傷つけてしまいます。洗顔をするときは泡立てネットを使うなどしてフワフワの泡をつくり、顔全体を泡でマッサージするように洗いましょう。特に目のまわりは皮膚が薄いため、摩擦を与えないよう優しく洗ってください。

そして洗顔後は泡を残さないよう入念にすすぎ、やわらかいタオルで顔の水分をふきとります。まつ毛に水分が残ったままだと雑菌が繁殖しやすくなりますので、まつ毛やまぶたに水分を残さないようにすることが大切です。

【2】まつ毛が抜ける原因《2》メイクによる負担

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まつ毛の長さや太さが変わるだけで、目元全体の印象が大きく変わります。そのため多くの女性が毎日のメイクで、マスカラを使っていることと思います。しかしこのまつ毛メイクも、まつ毛が抜ける原因になることがあるのです。

(1)マスカラのせいでまつ毛が抜ける!?

マスカラを塗ると、まつ毛を支えている毛根に負担がかかります。マスカラを塗るとその分だけまつ毛の重量は増すわけですから、当然といえば当然でしょう。そして毛根に負担がかかる状態が続くと、徐々にその細胞が弱ってきてまつ毛の定着力が落ちます。するとその結果、簡単にまつ毛が抜けるようになってしまうです。

またまつ毛は、その毛根内部にある毛母細胞が分裂を繰り返すことによって成長します。そのため毛根に負担をかけることは、まつ毛の成長を妨げることにもつながります。

(2)抜けまつ毛を減らすためのマスカラの選び方・使い方

マスカラをつけるとまつ毛に負担をかける…。だからといって、まつ毛メイクを一切しないというわけにもいきませんよね。

そこでおすすめしたいのが、フィルムタイプのマスカラです。
これはまつ毛をフィルムでコーティングするもので、耐水性があるため水や皮脂には強いのですが、お湯をかけると簡単に落とせます。そのためウォータープルーフタイプのマスカラを落とすときのようにクレンジングオイルを使う必要がなく、まつ毛にかかる負担を軽減することができるのです。

■マスカラの塗りすぎに気をつけよう

マスカラは、塗れば塗るほどいい、というものではありません。それどころかマスカラの塗りすぎは、まつ毛1本1本を重くしてその毛根に負担をかける原因になります。マスカラを使うときは、以下の手順を参考にしてみてください。

【マスカラの塗り方】
(1)スクリューブラシを使い、まつ毛をとかす。
(2)マスカラのブラシをティッシュに軽く押し当て、余分な液を取りのぞく。
(3)中央→目頭→目尻の順に、マスカラを塗っていく。
(4)マスカラが乾く前にコーミングをして、余分な液やダマを取りのぞく。

近年は一昔前のような「盛りまつ毛」ではなく、ナチュラルなまつ毛が好まれるようになっています。まつ毛のボリュームがそこまで気にならないということであれば、長さを少しプラスするイメージで、毛先だけにマスカラを塗るのもいいでしょう。

【3】まつ毛が抜ける原因《3》まつエク・つけまつ毛

まつ毛のボリュームと長さを劇的に変化させることができる、まつエクとつけまつ毛。最近は、サロンでまつエクの施術をしてもらったり、つけまつ毛を使ったりする方が増えています。確かに、まつエクやつけまつげならばマスカラを使う必要がありませんし(使ったとしてもごくわずかな量)、まつ毛にかかる負担も軽くなるかもしれない…と思ってしまいがちですよね。

しかしこれは大きな間違いで、まつエクやつけまつ毛は、抜けまつ毛を増やす原因になることがあります。

(1)まつエク・つけまつ毛が原因でまつ毛が抜ける!?

まつエクの施術では、まつ毛1本につき1本の人口まつ毛をつけていきます。そのため施術する本数が増えれば増えるほど自まつ毛にかかる負荷は大きくなりますし、まぶたにかかる負担も大きくなります。特にまつエクをした状態でまばたきをするときにかかる負荷は相当なもので、まつ毛の毛根を弱らせてしまうというのはもちろん、まぶたにシワができやすくなることもあるといわれています。

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■つけまつ毛は付けても外しても負担がかかる

つけまつ毛は、これを付けているときだけでなく、外すときにもまつ毛とまぶたに大きな負担をかけてしまいます。つけまつ毛を外すときにまぶたが引っ張られる負担は、1年トータルすると約26㎏の中型犬を1cm引っぱる力量に相当するのです。

皆様の中にはほとんど毎日つけまつ毛を利用している、という方もいらっしゃるかと思いますが、その度にこれだけの負担をまつ毛とまぶたに与えていると考えると、怖くなってきますよね。

(2)まつ毛を休ませてあげよう

まつ毛やまぶたに負担をかけ続けていると、まつ毛が抜けやすくなるというのはもちろん、まつ毛が育ちにくくなったり、まつ毛が生えにくくなったり、毛量が減ってしまったりすることもあります。まつ毛を綺麗にみせるためのメイクでまつ毛が減ってしまう…なんてことになっては、取り返しがつきません。

そこでおすすめしたいのが、まつ毛を休ませてあげる、という対策です。まつエクやつけまつ毛を完全にやめてしまうのは難しいかもしれませんが、まつエクをしない期間をつくってみたり、つけまつ毛をするのは特別な日だけにしてみたり…というようにすることで、自まつ毛やまぶたを休ませることができます。

(3)まつ毛美容液によるケアも効果的

まつエクやつけまつ毛は、目元を美しくみせるうえでとても効果的な手段です。しかしこれらはあくまで「そのばしのぎ」のものであり、自まつ毛を伸ばすことができるわけではありません。綺麗になるためとはいえ、まつエクやつけまつ毛を使い続けるというのは少々考えものですよね。

そこでご提案したいのが、「自まつ毛を育てる」という対策です。

例えば、まつ毛美容液を使ったケアなんて、いかがでしょうか。まつ毛美容液には自まつ毛に潤いを補給したり、ハリとコシを与えたり、その成長をサポートしたりする効果があります。そのためまつげ美容液を使ったまつ毛ケアを毎日すれば、まつエクやつけまつ毛に頼らなくてもいい、しっかりとしたまつ毛を手に入れることができるかもしれないのです。

【4】まつ毛が抜ける原因《4》老化

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若い頃はフサフサだったのに、最近まつ毛が少なくなったような気がする…という場合、「老化」によってまつ毛が抜けている可能性が疑われます。

(1)まつ毛が老化するってホント!?

人の体を構成する皮膚や内臓、骨、筋肉などは、その全てが無数の細胞によって構成されています。そしてこの細胞は、年齢を重ねるにつれ少しずつ老化していきます。

これはまつ毛も例外ではなく、そのもとになる毛母細胞は年齢とともに弱っていきます。毛母細胞が弱るということはそこから成長するまつ毛も貧弱になるということですので、結果的にまつ毛が抜けやすくなってしまうのです。

またまつ毛の根元部分は、「毛根鞘」という組織に包まれています。毛根鞘には皮膚と毛根を結びつけその定着力を高める働きがあるのですが、この毛根鞘をつくる細胞にも例外なく老化現象が起こります。するとまつ毛の定着力が落ち、ちょっとした負荷が原因でまつ毛が抜けてしまうようになるのです。

(2)内側からのケアで抜けまつ毛を減らす!

人として生きていく以上、老化現象を免れることはできません。そのため年齢を重ねるにつれまつ毛が弱ってくるのはある程度仕方がないのですが、生活習慣や食生活の改善など「内側からのケア」をすることで、抜けまつ毛を減らすことは可能です。

■まつ毛を育てる食生活

人の体をつくる細胞は、食事から取り入れた栄養分をエネルギー源にして活動・成長しています。そのため丈夫で抜けにくいまつ毛を育てるには、毎日の食事を見直し、まつ毛の発育に効果的な栄養素をしっかり摂取することが大切です。

以下の栄養素にはまつ毛の発育を促す効果が期待できますので、日々の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

●タンパク質
まつ毛の原料になる栄養素で、卵・魚・乳製品に多く含まれます。

●大豆
女性ホルモン類似のはたらきをもつイソフラボンが豊富で、毛母細胞を活性化させる効果があります。

●ビタミンB群
新陳代謝を活発化し、まつ毛の発育を促します。
豚肉や青魚、レバーに多く含まれています。

■良質な睡眠でまつ毛を育てる

毛母細胞は、体内で分泌される成長ホルモンの指令を受けて活動します。そしてこの成長ホルモンは、大半が睡眠中に分泌されています。そのためまつ毛を育てるには十分な睡眠をとるとともに、その質も向上させることが大切です。

眠りが浅い、寝付きにくいという方は、以下のような対策を試してみてください。

・パソコンやスマホの画面は脳を興奮させることがあるため、就寝前はなるべく見ないようにする。
・日中に運動をするなどして、体を適度に疲労させる(疲れすぎるほどの運動はNG)。
・ぬるめのお湯にゆっくりつかり、体を芯から温める。

■ストレス解消してまつ毛を育てる

人はストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れたり、代謝が落ちたりします。すると毛母細胞が上手く活動できず、まつ毛が育ちにくくなったり、抜けやすくなったりすることがあります。

ストレスは万病のもとですので、意識的にリフレッシュしたり体を休めたりして、ストレスを溜めこまないようにしましょう。

【5】まつ毛が抜ける原因《5》病気・薬

まつ毛は、病気やその治療のために使う薬の影響によって抜けてしまうこともあります。

まず病気についてですが、まつ毛が抜けてしまう病気には以下のようなものが挙げられます。

・甲状腺の異常をはじめとする内分泌疾患
・アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患

次に薬についてですが、病気の治療薬の中には抗がん剤など、副作用として体毛が抜けてしまうものがあります。

(1)まずは医師・薬剤師に相談しよう

病気や薬が原因でまつ毛が抜けている場合、まずは医師や薬剤師に相談してみましょう。病気が良くなったり薬を使わなくなったりすることで再びまつ毛が生えてくることもありますし、まつ毛育毛剤を使うことで一度は失ったまつ毛を取り戻せる可能性もあります。

また、まつ毛のもととなる毛母細胞が完全にその機能を失ってしまったとしても、まつ毛植毛をするなど、人工的ではあるもののまつ毛を取り戻すことは十分可能です。

さいごに

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洗顔による刺激やマスカラ、まつエク、つけまつ毛による負担。老化や病気、薬による影響…。まつ毛が抜ける原因は、人によって様々です。抜けまつ毛は、原因に合った対処をすることで減らすことができる可能性があります。まつ毛は目の印象を大きく左右する重要なパーツですので、まずはできるケア・対策から始めてみてはいかがでしょうか。